サイト内検索を閉じる
サステナビリティ

トップメッセージ

 

 

地球の未来は、今どこに向かっているのでしょうか。少なくとも私たち人類の思いや行動が、地球の行く先に大きな影響を与えていることは間違いありません。今を生きる私たちが何を考え、何を成すのかによって地球の未来は良くも悪くもなるのです。

私が目指したいのは、人々が愛を実践し、誰一人取り残すことなく、すべての人類・地球を含めたすべての生命体が調和し、発展していく幸福な社会を実現すること。そんな“子供じみた理想”や“きれいごと”かもしれないけれど、それを本気で実現するために命を使う生き方が本物の大人なのではないでしょうか?

VUCA の時代を生きる私たち

世界は今、多くの社会課題に直面しています。戦争や貧困格差、地球温暖化や気象災害の増加に加え、感染症によるパンデミックなど問題をあげると枚挙に暇がありません。日本においても、東京一極集中や地域格差、少子高齢化、生産年齢人口の減少など多くの課題に直面しています。

一方で社会・経済の発展により、グローバル化や多様性を重視した人権意識の変化、AIやIoTなどデジタル技術の進歩など、急激なスピードで世の中は変化し続けています。

まさに現在は「VUCAの時代(激動(Volatility)であり、 不確実(Uncertainty)で、それらが複雑(Complexity)に絡み合っており、しかも曖昧(Ambiguity)」と表現される通り、先を見通すことが極めて難しい時代です。

理念をベースとした経営

このように先行きが見通せない時代だからこそ、私たちはより本質的な活動をしていかなくてはなりません。私たちは創業以来、ずっと「人の心をベースとした経営」を行ってきました。普遍の考えをもつCOMANY 理念をもとに、私たちは経営の理念として掲げる「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献する」を存在目的とし、この実現と高次化を目指します。この理念のもと、持続可能な社会の実現を目指すとともに、誰もが自分らしく社会に参加し、それぞれがお互いを尊重し合い、共存共栄できる社会を実現することが、この時代に生きる私たちに与えられたミッションだと感じています。

私が事業活動を考えるうえで大切にしていることは、「未来は予測するものではなく、自らの手でつくり出すものである」ということです。現状をしっかりとらえたうえで「私たちはどうしたいのか」という強い意志をもち、それをもとに事業を展開することです。

現在の社会課題を見たとき、具体的な事業活動として我々が特に取り組むべき課題として設定したのは「自立分散型社会への取り組み」「ダイバーシティ&インクルージョンによるイノベーションの促進」「技術革新による空間価値の向上」「環境保護や防災・減災などへの対応力向上」の4分野です。これらの社会課題に基づき、地球規模から一人一人の意識領域までをCOMANYが貢献できる空間スケールとしてとらえ、事業を展開していくことを通じて価値をつくり出し、社会への貢献を実現していきたいと考えています。

Empower all Life ~ 一人一人が光り輝く社会に貢献 ~

私たちが2030年までに目指す姿は「Empower allLife 一人一人が光り輝く社会に貢献」です。これは、私たちCOMANYがもつ「企業は世の中の幸福に貢献するために存在すべきである」という信念をベースに、「すべての人が光り輝く人生を送るために、より良く働き、より良く学び、より良く生きるための持続可能な環境づくり、人づくりに貢献する」という使命を果たし、実現したい姿そのものです。

人はそれぞれがもつ強みや個性、また生まれ育った環境などが違います。これらの違いを互いに認め合い、それぞれの個性を活かし合って相乗効果を生み出し、一人一人が自分らしく光り輝くことができることこそ、本当に求めるべき幸福ではないでしょうか。

人が自分らしく生き、光り輝くためには、「自分らしくあることに対する不安を感じる必要がない安心と安全の確保」がなされていながら、「自分の良心や志に素直に生き、可能性を切りひらくための挑戦ができる環境が整っていること」が大切だと考えています。

私たちが生み出したい社会的インパクトの目標としては、「1億人のWell-being向上」を設定しています。これを実現するためのアプローチとしては、常に社会課題から考え、それを解決するソリューションを整理し、商品開発に繋げております。例えば、震度7相当にも耐えうる「高耐震間仕切シンクロン」では、震災リスクを軽減することで安心・安全の空間づくりの実現を図っています。このシンクロンシステムを新商品「Xis(エクシス)シリーズ」では標準搭載とすることで、2030年の到達見込みを137万人から3,500万人へ大幅に向上させることができました。また、働く環境は働き方改革の推進などにより、場所や時間などの柔軟性が求められ、それにともなってオフィスの役割も変化しております。これまで以上にオフィスにおけるコミュニケーションの質が問われている中、私たちはこれらのニーズに対応して、偶発的な交流や出会いを生み出す商品や、創造性を刺激する商品の開発なども積極的に展開しています。

これに加えて、社会課題解決に貢献するための新規事業の創出、企業活動における間接的なインパクトやステークホルダーとの共存共栄を通じて、さらに多くの人のWell-being向上を図ってまいります。

また、Empower all Lifeの実現の取り組みは、地球環境との共存を大前提に推進しています。私たちは2040年にはCO2 排出量を実質ゼロにすることを目指し、2030 年には「環境負荷50%削減」を掲げ、脱炭素社会への取り組みを推進しています。具体的には「Scope1+2におけるCO2 排出量(単体)を 2030 年までに2018年度比で50%削減」「再エネ比率(単体)を2030年までに50%、2040年までに100%」に向けて取り組んでいます。環境や気候変動への対応を重要課題ととらえ、事業活動における環境負荷の低減、環境に配慮した製品開発などを通じ、中長期的な社会課題の解決に繋げてまいります。

そして、これらを実現するための事業モデルが「COMANY SDGs∞(メビウス) モデル」です。この∞モデルはプロダクト・ サービスを通じてどのように世の中に貢献するかを表すにとどまらず、私たちに関わるステークホルダーの皆様の幸福にどのように貢献するかも表しています。私たちの信念である「関わるすべての人の幸福に貢献する経営」を目指し、∞モデルを持続的に循環することを通じて地球環境とも調和しながら、お客様、サプライヤーなどのお取引先様、 従業員、地域社会へのより大きな幸福を実現してまいります。

我々は、間づくりカンパニーである

私たちCOMANYは「間づくり」を通じてEmpower allLifeの実現を目指します。

COMANYは60年余り、ずっと間仕切りをつくり続けてきました。間仕切りとは一見、間を二つに分けることを意味するようにとらえがちですが、大切なのはそれによって新たな「間」を生み出しているということです。ですから間仕切りの本当の意味は、間を区切ることではなく、「間」をつくることであると考えています。私たちは「間」をまっすぐに見つめ直し、受動的で固定的に間を仕切るのではなく、能動的に可変的に間をつくりあげていきます。

生成される関係性」、そして「間」をより良い方向に整え、すぐれた間を生成することを「間づくり」と定義し、その可能性を追求しています。「よい間」を生成することができたならば、より価値高く、一人一人が光り輝ける社会を実現できると信じています。

すぐれた間を生成するためのアプローチとしては、「人間」を中心に「時間」「空間」をとらえ、それにどのような「手間」をかけるかによって、様々な間を生み出します。間づくりから生まれた関係性そのものが新たな価値を生み出していくということです。私たちは「間づくり」の可能性を追求していくことで、SDGsが目指す姿である「世代を超えて、すべての人が、自分らしく、良く生きられる(=Well-being)」社会の実現を図ってまいります。

前期実績とこれからの取り組み

2022年の活動を振り返りますと、当社は昨年、公開買付による株式の非上場化という決断をし、新たなスタートを切ることといたしました。現在COMANYは、持続可能で強い企業体質を再構築するため、あらゆる角度から自社を見直し、より機動的でお客様の声にお応えする体制の構築や、より質の高い仕事をするための構造改革を実施しています。

市場環境においては、新たな働き方や生活様式の変化による顧客ニーズの多様化に対し、オフィス市場を中心に多様な働き方に対する需要が増加しています。オンラインを活用したミーティングが当たり前となったことを受け、その最適空間を実現するワークブース「Remote Cabin(リモートキャビン)」の展開や、コミュニケーションを促進するために、偶発的な出会いを誘発することを狙った「Tomariki(トマリキ)」、人と人との繋がりを意識した「Ricola(リコラ)」「Xis-Frame(エクシスフレーム)」など、新たな働き方に対する商品を積極的に展開しています。その他にも、工場市場において半導体を中心とした投資が活況だったことなどを受けて、クリーンルームの需要が増加したことなどにより、2022年12月期(4月~ 12月)の売上高は244億75百万円(前年同期比11.8%増)となりました。

環境面につきましては、環境に関する情報開示として「CDP評価」に参加し、サプライチェーン全体で環境負荷低減に向けての目標設定などの活動が総合的に評価され、2021年に続き2年連続でリーダー企業に選出されました。また生物多様性など自然環境を保護する国際的な取り組みの一つとなる30by30アライアンスへの参加や自然環境や生物多様性など自然資本の情報開示の枠組みであるTNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同を表明しました。

中期経営計画

中期経営計画の2025年に向けては、既存事業を盤石なものにするとともに、「間づくり」を軸とした社会への貢献の幅を拡大し、新規事業の可能性も模索してまいります。

また、心からお客様に喜んでいただける仕事をするためには、まずはCOMANYで働く従業員が精神的にも肉体的にも安心して活き活きとお客様の方を向いて働くことができる職場環境をつくりあげることが大切であると考えており、制度・風土の改革に積極的に取り組んでいます。お取引先様(サプライヤー等)におきましては、安定した供給体制の確保、2024 年の物流問題、高齢化による施工従事者の減少などの課題に対し、お互いが対等の関係性の中で共存共栄できるサプライチェーンマネジメント体制を早期に構築してまいります。

営業、技術、製造、施工部門など組織の壁を越えて横連携を図ることで、顧客満足度向上を図るとともに、生産設備革新や構造改革のためのIT化など、生産性向上を狙いとした投資を計画通りに実施することで仕事の質を向上させ、経営基盤を盤石なものにしてまいります。

サステナビリティにつきましては、ダイバーシティ&インクルージョンの推進により従業員の働きがい向上を図るとともに、市場の変化に対して新たな商品やサービスをスピード良く展開し、価値創造に努めてまいります。

また、地球環境との共存のもと企業活動を行うことが大前提であると考え、省エネ・ 再エネ・リサイクルなどを通じた地球環境保護にも取り組みます。

2025年の中期的な定量目標としましては、財務面では営業利益率8%以上、非財務面につきましては、女性管理職比率13%、男性育児休業取得率100%、CO2排出量30%削減(2018年度比)などを目指してまいります。

そして、従業員をはじめとして、お客様、お取引先様、地域社会、地球環境などCOMANYに関わるすべてのステークホルダーとの「間」を大切にし、お互いにとって調和のとれた関係性の構築と新たな価値創造を図ってまいります。

間づくりでEmpower all Life を実現する

2030年へのムーンショット実現を目指すにあたり、私には信じていることがあります。それは、「人間の本質的な喜びは良心に正直に生きることだ」ということです。人には必ず良心があります。心を常に磨き、人に優しく、思いやりをもって世の中の役に立つために懸命に努めることは、人間の本質的な喜びに直結していると思うのです。一度しかない人生を、生まれてきたからには少しでも多くの人の役に立ち、世の中に貢献することこそが人間の生まれもった使命ではないでしょうか。そのために、その人がもつ強みや個性をお互いに認め、活かし合い、力づけることのできる本当の幸福を実現したいのです。

それを実現するには、お互いにとっての「間」をどのように生成するかが重要であり、「間づくり」を通じて実現できると信じています。「間」とは関係性であり、人と人との関係性はもちろん、人と働く空間との関係性、人と制度の関係性、人とシステムや設備の関係性など、あらゆるものは関係性で成り立っています。この関係性を「間づくり」することにより、人間の本質的な幸福に繋げられると確信しています。

私たちの使命である「すべての人が光り輝く人生を送る」ことは、SDGs が目指す「より大きな自由における普遍的な平和の強化を追求する」ことと一致していると考えており、当社の価値創造モデルである「COMANYSDGs∞モデル」にあるように、すべてのステークホルダーの皆様との積極的な対話を大切にしながら具体的な計画と目標を設定し、着実に実施してまいります。これに加え、国連グローバル・コンパクトの 4分野10原則にあります「人権・労働・環境・腐敗防止」 に積極的に取り組むことは、企業が果たすべき社会的責任であると同時にイノベーションの可能性であるととらえ、私たちは国連グローバル・コンパクトに署名し、10原則の実現を推進してまいります。

これからもCOMANYは、創業の精神である「人道と友愛」を胸に、「Empower all Life」を実現させるために変えるべきことは大胆に変化させ、新たなことにも積極的に挑戦してまいります。そして世の中になくてはならない企業であり続けられるよう、これまで培ってきた技術力を駆使し、未来へ向かって人々が光り輝ける社会づくりの一翼を担えるよう、邁進してまいります。

代表取締役 社長執行役員 塚本健太
  1. トップページ
  2. サステナビリティ
  3. トップメッセージ