ＰＲＯＤＵＣＴ　ＳＴＯＲＹ
Tomariki

当社では「PITCH&PARK」というコンセプトのもと、オフィスは「効率を生み出す領域（PITCH）」と「アイデア創出の領域（PARK）」の２つの価値を創造する場であると考えています。

今回のTomarikiは「アイデア創出の領域（PARK）」に重点を置いた製品として開発がスタートしました。今までにやったことのない斬新な製品へのチャレンジでしたので、まさにゼロからの挑戦です。さしあたってまずは外部のデザイン会社様にて案を立ち上げてもらい、続いて弊社のデザインチームに加わってもらいデザインが立ち上がりました。デザインチームがある程度形を作ってくれて、そこから私たちに話が来たという経緯です。

以前にもTomarikiに似た製品を開発したことがあったのですが、今回のTomarikiは製品としての狙いが今までとは違います。Tomarikiは人と人の交流によって育まれる創造性や、人同士でしか生み出せないものを重視して作られているということです。そして、そのために必要不可欠な人と人とのコミュニケーションを促すための製品だということです。

当初の計画ではデスクは角型だったのですが、コンセプトである気軽に相談し合える空間にするためには、角型では視覚的に気軽に立ち寄りにくいのでないかと考え、悩んだ末にやわらかい印象になる丸型にすればよいのではという結論になりました。ポールやデスク、照明においても丸みを持たせることを徹底しています。立ち寄りやすい空間にするためにどうするか、ここだけは譲れないポイントです。

また、細部の精度にもこだわっています。例えばデスクですが、柱のポールを通す穴にも非常に高い精度が求められます。穴を広げすぎればポールとの隙間が出てしまい、見た目も悪くグラグラしてしまいます。デスクを固定したときにグラグラしない、そのギリギリの１点を見極めるまでに何度も試行錯誤をした結果、ようやく納得のいくものに仕上がりました。パソコン作業を想定してコンセントを設置していますが、コンセントカバーも丸ポールの形状に合わせたものを作っています。これも良い精度の物が出来上がっていますよ。

棒状という特徴的な製品ですが、使用されるお客様の安全面も考慮して耐震機能を絶対に付けたいと考えていました。ですが、思わぬ失敗の連続で本当に苦労しました。最初の加振試験では支えている天井が大きく揺れ、Tomariki本体である棒が天井を突き破り、天井のボードに突き刺さってしまう結果となってしまいました。このままではダメだと思い、どうしたらTomariki本体に耐震構造を持たせることが出来るのか。本当に悩み、まさに寝る間を惜しんで考え抜きました。

それを解決したのがTomariki本体のポールの内部に伸び縮みする機構を内蔵する方法です。内部で伸縮することで揺れを吸収し、天井や床の変形にも耐えうるものとなりました。天井と床の変形に追従して一緒にTomarikiも変形することで天井への負荷がなくなり、天井が壊れにくくなるという発見もありました。

製品をリリースし、実際にお客様へ提案していただいた営業の方からのフィードバックとしては、オフィスデザイナー様から反響が大きいと聞いています。棒状なので場所を取りませんし、どこにでも使えるのでレイアウトがしやすい。デッドスペースを活かすアイディアとしても注目されていると聞いています。

一番響いたポイントは、パッと目に付いて自然とコミュニケーションが生まれる点です。会議室前に設置して打合せの事前準備をしたり、とにかく使い方に制限がないところも響いたポイントではないでしょうか。

実際に私が仕事をしている場所にもTomarikiが設置されています。普段立って仕事をすることがないので気分を変えて仕事をするのに重宝しています。自慢のコンセントもありますし(笑)、電源も気にせず仕事ができるのは社内のメンバーからもとても好評です。

Tomarikiは色々な使い方ができる良い製品です。色々な方に使ってもらいたいですし、ぜひ一度仕事をする仲間や身近な人とデスクを囲って欲しいと思います。PCを一緒に見ながら打合せをしたり、コーヒー片手に肘をつきながら談笑したり・・・。

これからも全力で悩んで、こだわって、声に答えられる製品を開発していきます。