間づくり研究会 ORGATEC TOKYO 2026

開催日時 16:00 ~ 17:00

申込締切 20:00

コマニーは、ORGATEC TOKYO 2026において、「間づくりの仲間との実践」をテーマにした体験型ブース『FRAMING BLOCKS』を展示しました。これまでコマニーは、「間づくり」の認知・受容・参加をテーマに、来場者へ新たな価値観や気づきを提供してきました。今回は、その次のステップとなる“実践”に焦点を当て、来場者同士が協働しながら空間や関係性を創り出す体験型の展示を行いました。来場者には、チームで「いつ・どこで・誰と・何をするか」を組み合わせながら、自ら考え、対話し、選択するプロセスを通じて、「間づくり」の本質に触れていただきました。展示空間そのものが人と人をつなぐ仕掛けとなっており、新たな出会いや共創が生まれる場を創出することで、単なる商品展示ではなく、「間づくり」を通じて人々の可能性を体感いただけるブースとなっています。

今回の間づくり研究会では、出展ブースを通してどんな価値を提供したのか、来場者にどんな体験が生まれたのかを、オンラインにて発表します。本研究会が、皆様の間づくりや仕事に対する新たな視点を得るきっかけとなれば幸いです。

レポート

間づくり研究会では、ORGATEC TOKYO 2026への出展内容と、展示を通して見えてきた研究成果について共有しました。

今回の展示テーマは「仲間との実践」。
来場者同士がチームとなり、一つの「間」を共創する体験型展示「FRAMING BLOCKS」を実施しました。会場で生まれた対話や行動を分析した結果から、「人はどうすればつながれるのか」という問いに向き合い、関係性を生み出すための要素について考察しました。

イベント内容

「FRAMING BLOCKS」は、来場者が5人ずつでチームを組み、お題に合う「間」をつくるゲーム型展示です。

チーム決定後、「いつ」「どこで」「誰と」「何をする」の4つの要素ごとに担当者を決めます。残りの1人はチームリーダーです。自身の担当(「いつ」「どこで」「誰と」「何をする」)に応じて、カプセルに入った80種類のカードから、お題に合う文章が書いてあるものを探します。

このカプセルに入ったカードのことを、「MA-terial(マテリアル)」と呼びます。
チームメンバーは、出されたお題に最もふさわしいと思う「MA-terial」を探し、リーダーのもとへ持ち寄ります。

リーダーは集められた4枚のカードを組み合わせながら、お題に最も近い物語となるようチームメンバーへ指示を出し、一つの物語を完成させます。

間づくりを体感する各エリア

今回の展示は、「Garage」「Lab」「Demo Room」の3エリアで構成されています。

来場者はこの3つの空間を順番に移動しながら、出会い、考え、共有するプロセスを体験していきます。
人と人との関係性が少しずつ立ち上がっていく流れそのものを、会場の動線として設計しました。

①   Garage

Garageは、「仲間になる前の状態をつくる場所」として設計しました。

参加者はここで初めて展示の中へ入り、 その場で集められたメンバーでチームを組みます。しかし、この時点ではまだお互いのことを何も知らず、戸惑いや恥じらいを感じている状態です。私たちは、その状態をあえて大切にしました。

なぜなら、人と人との関係性は、最初から存在するものではなく、こうした小さな戸惑いの中から始まると考えたからです。

②  Lab

Labは、人と人が共創を実践するための空間として設計しました。今回の展示の中心となる空間です。

参加者はチームごとに分かれ、「MA-terial」を探しながら、お題に合う「間」をつくり上げていきます。

ここでは自然と会話が生まれることも、意見がぶつかることもあります。そして、お互いの考え方を知りながら、一つの物語をつくり上げていきます。

③ Demo Room

Demo Roomは、共創の結果を共有し、関係性が広がる空間として位置づけました。

ここでは完成した「間」の物語をチームごとに発表します。重要なのは、正解を発表する場ではないということです。

同じお題でも、チームごとに異なる答えが生まれます。その違いを共有することで、新しい発見や価値観との出会いが生まれます。

このようにFRAMING BLOCKSは、来場者同士が出会い、考え、共有しながら、一つの「間」をつくり上げる体験型展示として実施しました。

私たちが目指したのは、展示を見ることではなく、展示に参加すること。そして、仲間との実践を体験していただくことでした。

間づくりを体感するコミュニケーション設計

今回の「FRAMING BLOCKS」では、初対面同士の来場者が自然に関わり合いながら仲間との実践を体験できるよう、空間設計とコミュニケーション設計の両面から検討を行いました。

私たちが目指したのは、単にゲームを体験していただくことではありません。受付から待機時間、ゲーム体験、そして終了後までを一つの連続した体験として設計し、人と人との関係性が少しずつ生まれていくプロセスそのものをつくることでした。

受付ではゲーム内容をまとめたパンフレットを配布し、待機列では紹介映像を上映しました。

実際の体験内容をすべて見せるのではなく、「これから何が始まるのだろう」という期待感を高めることで、待ち時間も体験の一部として楽しんでいただけるよう工夫しています。

また、受付時にニックネームを決めていただきました。初対面同士でも名前を呼び合いやすくなることで会話が生まれやすくなり、ゲーム開始前から自然なコミュニケーションが生まれる環境を目指しました。

ゲーム設計においても、人と人との関わりが生まれる仕掛けを取り入れています。参加者一人ひとりに役割を設け、一人では完結できない構造とすることで、情報共有や相談が自然に発生するよう設計しました。

チーム全員で協力しながら目標に向かうことで、短時間の中でも仲間意識や一体感が生まれることを目指しました。

さらに、体験後にも記憶が残るよう工夫しています。ゲームで使用した「MA-terial」はコースターとして持ち帰ることができる仕様とし、チームで共につくりあげた「間」の物語は、レシート形式で印刷してお渡ししました。

展示会場で生まれた会話や共創の記憶を、日常に持ち帰っていただくことも今回の体験設計の一つです。

共創を引き立てる空間づくり

空間デザインでは、ジャングルジムのようなフレーム構造を採用し、骨組みを見せることで開放感と遊び心を表現しました。

また、半透明のアクリルやメッシュ素材、ストリングスカーテンを活用し、「見えそうで見えない」距離感を演出。人の動きや光は感じられるものの空間の全体は見えない設計とすることで、体験への期待感を高めました。

色彩計画ではホワイトを基調としながら、ゲーム要素にはオレンジ、イエロー、グリーン、ブルーを採用しました。規則的なフレーム構造の中に、温かみと親しみやすさを感じられる空間を目指しました。

私たちは今回、ゲームを体験するための空間ではなく、人と人との関係性が自然に生まれる空間をつくりたいと考えました。空間の構成や動線、素材の選定、そして待機時間に至るまで、一つひとつの要素にその想いを込めています。

人はどうすればつながれるのか

参加者は体験開始直後こそ会話が少なかったものの、ゲームが進むにつれて自然な対話や意見交換が生まれ、体験後には名刺交換を行う姿も見られました。

この様子から私たちは、「人はどうすればつながれるのか」という問いについて研究を行いました。

研究結果① 人は共通の目的があるとつながる

私たちは参加者の皆様に、「交流してください」とはお願いしていません。お伝えしたのは、「お題に合う間をつくってください」という共通の目的のみでした。

しかし参加者は、その目的に向かって意見を出し合い、自然と対話を始めていきました。

このことから、「共通の目的」が人と人をつなげる重要な要素の一つだと考えました。

研究結果② 人は役割があると参加しやすい

しかし、共通の目的があるだけでは、人と人とのつながりは生まれません。

今回の展示では、参加者一人ひとりに「いつ」「どこで」「誰と」「何をする」という役割を設けました。それぞれが異なる視点を持つことで自然と発言のきっかけが生まれ、誰かが話し、誰かが聞くだけではなく、全員が対話に加わる環境が生まれていました。

参加者はどんな「間」を求めていたのか

各チームがつくり上げた、234件の「間」のストーリーを分析しました。

どのような「間」を求めているのか

まずは、ゲームのお題として設定していた「間」について、傾向を分析しました。その結果、最も多く選ばれたテーマは「心開く間」でした。そのほかにも、「深呼吸の間」「ハイタッチの間」「童心の間」といった回答が多く見られています。

これらに共通していたのは、
・本音を出せること
・力を抜けること
・自分らしく振る舞えること

などでした。
私たちは、人は「ありのままの自分でいられる間」を求めていると考えました。

どのような「時間」を求めているのか

次に、MA-terialの4要素を順番に分析しました。

「いつ」に関する要素の分析では、
・「今週も乗り切った」と脱力している金曜の夕方
・憧れのプロジェクトに参加する日の朝
・久しぶりに定時退社をした日

などが多く選ばれました。

いずれも日常の延長線上ではなく、 挑戦や達成、切り替えのタイミングで間を求めていることが見えてきました。

どのような「場所」を求めているのか

「どこで」に関する要素の分析では、
・雑草が伸びに伸びた荒川河川敷の土手
・会社員が弁当を食べている公園
・昭和のまま時が止まっている新橋の高架下
・年季の入った6畳一間の自宅

が上位となりました。

豪華な場所よりも、肩の力を抜ける余白のある場所が選ばれていたことが印象的でした。

どのような「相手」を求めているのか

「誰と」に関する要素の分析では、
・自信満々な新卒
・笑顔の旧友
・自分を理解するAI
・心強い先輩

が多く選ばれました。

人は、安心と刺激を与えてくれる人と間をつくりたいと考えていることが見えてきました。

どのような「体験」を求めているのか

そして「何をするか」では、
・時間を忘れて語りつくす
・肩を並べて遠くを見ながら、人生を振り返る
・他のことはすべて忘れて、10分間瞑想を行う
・「ここだけの話」をする

といった回答が多く見られ、人は成果を出す時間よりも、自分や相手と向き合うことを求めていることが分かりました。

これらの分析結果から、私たちは「人とのつながりを生み出す環境」には一定の共通要素があるのではないかと考えました。

見えてきた共通点

ここまでの分析結果を整理すると、参加者が求めていたものにはいくつかの共通点が見えてきました。

・ありのままの自分でいられること
・人生や仕事の節目となる時間
・余白のある場所
・安心感と刺激の両方を与えてくれる人の存在
・自分や相手とじっくり向き合う時間

私たちは、こうした要素が人と人とのつながりを生み出す環境の形成に関係しているのではないかと考えています。

人はどうすればつながれるのか

分析の結果、共通の目的があり、一人ひとりに役割があり、さらに自分らしくいられる環境があることで、自然と対話が生まれていることが分かりました。そして、その対話が共創へとつながり、人と人との関係性が育まれていきます。

今回の展示を通じて見えてきたのは、人とのつながりが生まれるプロセスと、そのために必要な環境のあり方でした。

私たちは今回の研究を通じて、一つの結論にたどり着きました。

人と人とのつながりを生み出すうえで重要なのは、単に会話をすることではありません。共に考え、共に創り、同じ体験を共有することです。

「人は交流だけでなく、共創によってつながる」という考えに至りました。

まとめ

今回の研究を通して、私たちは改めて「間づくり」とは何かを考えました。分析を進める中で見えてきたのは、参加者が求めていたのは単なる空間ではなく、人との関係性であり、人と向き合う時間であり、共に体験する機会だったということです。

間づくり研究所では「間づくり」を、人間を中心に時間・空間を捉え、手間をかけることでより良い関係性を生み出すことと定義しています。今回の「FRAMING BLOCKS」では、初対面同士の参加者が対話を重ね、共に考え、一つの体験をつくり上げる姿が見られました。

私たちは今回の「仲間との実践」を通して、人と人との間に新たな関係性が生まれる可能性を確認することができました。これからも間づくりを通じて、より良い関係性を社会に広げていけるよう取り組んでいきます。

概要

日時 2026年7月31日
テーマ 間づくり研究会 ORGATEC TOKYO 2026
申込締切 2026年7月29日
開催場所

Zoomウェビナーによるオンライン開催

定員 500名

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